2022年1月1日土曜日

全国を母集団とする推定学力の分布について、年度間でさほどの違いはない

 データ:

全国学力・学習状況調査、H24〜H31、匿名データ、各年度約10万名

(H24は、小学生約2.5万名、中学生約4万名)

(H29、中学のデータに不具合があったため、分析から除外)

母集団の学力分布の推定方法:

Easy Estimation(東北大学大学院・熊谷龍一先生開発)の推定方法:Population

可視化ツール:R

推定母集団の度数分布グラフ:

黒=H24, 赤=H25, 緑=H26, 青=H27, シアン=H28, マゼンタ=H29, 黄=H30, 灰=H31





灰色のグラフH31が若干突き出している。AB問題が統一され、問題数が少なくなったことで、学力の識別力が弱くなったためと考えられる。

推定母集団の累積グラフ:




累積グラフでは年度間の違いは感知できない。

--> 全国の小6、中3の国語・算数数学の学力分布に、年度間で差があるというエビデンスは得られなかった。

--> 「全国の小6、中3の国語・算数数学の学力分布には、年度間で差がない」という仮定が、一定の妥当性を持つ(とっぴな仮定ではない)。

--> この仮定を置くなら、推定母集団との偏差で、サンプルの年度比較ができる。